悲惨な事件

悲惨な事件が起きました。

亡くなられた方へのご冥福をお祈り申し上げます。

また被害に遭われた方へ心からお見舞い申し上げます。

大阪、キタの雑居ビルで、精神科・心療内科の患者が放火し、多くの人命が失われた週末。

数日で、事件のあらましがわかって来ました。

過去に実子を刺し殺そうとした男がまた起こした犯行。

その思考自体が信じがたい構造である事から、此奴も無罪か減刑になるんやろうなと、怒りとも絶望感ともつかない気持ちになるのです。

折しも、先月４日の裁判で、２０１７年に親族ら５人を殺傷した被告の判決が「心神喪失で無罪」

、ご遺族の「ただただ絶望している」というコメントをニュースで知ったばかりでこの事件であります。

ここで、刑法３９条とは何ぞやという事になります。

１、 心神喪失者の行為は、罰しない。

２、 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

明治４０年に制定された法律です。

これが通用した背景は、判決後、病院や施設、家庭に収容され世間に一生出ない様な事がされてきた、いわゆる代用監獄的な仕組みがあったからです。

今そのような措置が取られていますか？

１９６０年頃から始まったノーマリゼーション（北欧から始まった障碍者と健常者の健全な共生の理念）の流れに世界が沿っていった頃から、何もかも一緒くたになってしまい、触法障碍者の処罰や代用措置について行政は何もしてこなかったひずみが今来ています。

「欧米では当たり前の制度だ」

と嘯く者が居ます。

アメリカ、イギリス、ドイツ等は、細かく法律で取り扱いを規定し、日本よりも合理的で厳しい措置の運用をしています。

日本はどうでしょう。

１、 心神喪失者の行為は、罰しない。

２、 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

これだけ。

以降の処遇について明確でない為、措置入院されても医師次第では１年未満で退院させる事もあります。

心神耗弱者として減刑された被告の中には、覚せい剤の幻覚症状で犯罪を犯した者もおり、ご遺族の感情たるや、想像を絶するものがあります。

人権思想は崇高ですが、理念先行で頭でっかちな法整備のせいで、精神障碍者への偏見が一層激しくなるばかりか、今回障碍と向き合い、必死で社会復帰を目指しておられ、巻き込まれてしまった皆様が浮かばれません。

おまけ

３９条こそ「近代法」「人権思想」の理念に則った優れた法だ、とか言ってる人権派とか法律マニア。

「現代法」に深化させる発想は無いんか？被害者と家族の人権はよ？