注目度の高い、高層木造ビルとは?  木造によるメリットやリスク

こんにちは!転職博士です。

都心部では、数々の高層ビルが建ち並んでいますね。

通勤途中に建築中の高層ビルを目にする方もいるでしょう。

高層ビルの建築構造で多く用いられているのが「鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)」です。

しかし、木造を採用した「高層木造ビル」が注目されているのを知っていますか?

そこで今回の記事では、注目度の高い高層木造ビルとは何かを解説します。

高層木造ビルのメリットとリスクも紹介するので、高層ビルに関して理解を深めてみてください。

高層木造ビルとは

「高層木造ビル」とは、木材を用いて建築された高層ビルを指します。

林野庁の公式ホームページには、以下の通り高層木造ビルが増えている背景について掲載されています。

【高層木造ビルが増えている背景】

  • カーボンニュートラルへ貢献している
  • 森林資源の循環利用を促進と地域経済の活性化の実現
  • 快適かつ健康的な室内環境をつくる

上記のような理由から、高層木造ビルが注目を集めているといえます。

直交集成板(CLT)や木質耐火部材など、強度に優れた建築材料の技術開発と普及が進みました。

さらに、2000年に建築基準法が改正されたこともあり、木造でも高層ビルの建築が可能となったのです。

代表的な高層木造ビルには、以下の建物があります。

【代表的な高層木造ビル】

  • ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌⼤通公園(北海道札幌市中央区)
  • ⾼惣⽊⼯ビル(宮城県仙台市宮城野区)
  • ⽇本橋⽊造ハイブリッドビル(東京都中央区⽇本橋)
  • HULIC &New GINZA 8(東京都中央区銀座)

【参考】

林野庁|高層木造ビルについて

ウッド・チェンジ協議会 ⾼層ビルグループ|⾼層⽊造ビル事例集(令和3年度版)

高層木造ビルのメリット

高層木造ビルのメリットは、以下の通りです。

CO2排出量の削減が期待できる

高層木造ビルに使われている主な建築材料は木材です。

建物に木材を使うことで、温室効果ガスの大部分を占めるCO2排出量の削減につながります。

CO2排出量の削減は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて進められている取り組みです。

カーボンニュートラルとは、2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を全体でゼロにすることです。

断熱性と通気性に優れている

木材は、断熱性と通気性に優れています。

断熱性とは、室内と室外の熱の移動を防ぐ性能です。

断熱性が高いことで、夏は暑さを感じにくく冬は寒さを感じにくくなります。

このように、快適な室内空間を保つことができるのも、高層木造ビルの魅力といえます。

通気性とは、空気を通す性能です。

通気性が高いと室内の湿気がこもりにくくなるため、快適な室内環境を保つことができます。

高層木造ビルのリスク

高層木造ビルのデメリットは、火災発生時に延焼リスクが高まる点です。

木材は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて、火が広がりやすいのが特徴です。

火災が発生すると近隣の建物に火が燃え移り、大規模火災が発生する可能性も考えられます。

ただし、太さや厚みがある木材を使用したり不燃材料を使用したりするなど、延焼防止対策を行うことで延焼リスクを低減できます。

【参考】

国土交通省|○不燃材料を定める件

まとめ

今回は、注目度の高い「高層木造ビル」とは何かを解説しました。

 高層木造ビルとは、木材を使って建築された高層ビルです。

高層木造ビルのリスクは火災発生時に延焼リスクが高まる点ですが、CO2排出量の削減ができる点、断熱性と通気性に優れている点がメリットとしてあげられます。

さまざまな建築構造で建築される高層ビル。

高層ビルの建築構造に木造を採用した高層木造ビルは、カーボンニュートラル実現に貢献しているといえますね。

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