職人の技術は「見て盗め」今でも通用する?
こんにちは!転職博士です。
何十年も建設現場で実務経験を積み、技術を磨いてきている職人さん。
従来は、職人の仕事を覚える若手に対して「俺の技術を見て盗め!」と丁寧に教えるのではなく、ベテランの職人の技術を見ながら覚えるのが主流でした。
技術を直接見て覚えさせるという指導ですが、現代でも「見て盗め!」は通用するのでしょうか?
今回は、今でも職人の技術は「見て盗め!」が通用するのかを解説します。
時代の流れや建設現場の現場をふまえ、どのような指導方法が適しているのかを知るきっかけになるでしょう。
これから若手を指導する立場の方、若手の育成方法に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください!
「見て盗め!」は通用しない
従来は「見て盗め!」と伝え、職人の技術を身につけるのが当たり前でした。
しかし、現代は通用しないのが「見て盗め!」の指導方法です。
「見て盗め!」の指導方法が時代にそぐわない理由は、建設業界が抱える課題の一つ「人材不足」です。
国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」によると、建設技能者数は以下のように推移しています。
- 平成9年:455万人
- 平成22年:331万人
- 令和3年:309万人
このように、建設技能者は減少していることがわかりますね。
さらに、60歳以上の技能者が79.5万人。
建設技能者全体の25.7%が60歳以上といえます。
つまり、ベテラン技能者は数年後に一気に引退する可能性が高いでしょう。
「見て盗め!」の指導方法のデメリットは、若手が技術を習得するまでに時間がかかる点です。
指導者であるベテラン技能者が引退してしまうと、若手は技術をすべて習得できず非効率になってしまいます。
若手にいち早く建設技術を覚えられるように、ベテラン技能者は言葉や行動で指導するのが良いでしょう!
【職人の技術伝承】おすすめの指導方法とは
「見て盗め!」でなく、どのように職人に技術を身につけてもらうのかがポイントです。
職員の技術伝承におすすめの指導方法を2つ紹介するので、それぞれ見ていきましょう!
ベテラン技能者自ら手取り足取り指導する
ベテラン技能者が若手と一緒に行動し、手取り足取り建設技術をレクチャーする方法は効果的です。
背中で語るのではなく言葉や行動で指導することで、建設技術に関する理解が深まるでしょう!
ベテラン技能者が手本を見せた後に同じように若手に実践させるなど、見せるだけでなく即実践することで、素早く理解できるのもメリットです。
職人専門の育成支援を活用する
職人専門の育成支援を活用するのも一つの方法です。
基本的な建設技術を学ぶ場として、職人の育成事業を実施している団体もあります。
若手に付きっきりで指導するのは難しいという場合は、育成支援を活用しても良いでしょう。
ただし、専門としている工事内容を網羅できないこともあるため、育成支援の内容を把握してから申し込みをしましょう!
まとめ
今回は、今でも職人の技術は「見て盗め!」が通用するのかを解説しました。
建設業が抱える課題の一つが人材不足。
建設技能者も減少している現代においては「見て盗め!」の指導方法が適していないでしょう。
若手技能者に即戦力となってもらうためにも、ベテラン技能者は見て覚えさせるのではなく、説明をしたり実践させたりしながら指導するのが効果的です。
技術伝承の成功事例があれば、取り入れてみるのもおすすめです!