木造・RC造・S造:コストと納期から見た最適構造は?
こんにちは!転職博士です。
建築物の構造には「木造」「RC造(鉄筋コンクリート造)」「S造(鉄骨造)」などがあります。
それぞれの構造には特徴があり、コストや工期が異なるのを知っていますか?
そこで今回の記事では、コストと納期の違いから最適構造を解説します。
建築物の設計や施工に関わる方はもちろん、これから建築分野の仕事にチャレンジしたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
「木造」「RC造」「S造」の構造の特徴
建築物の構造には特徴があり、構造ごとに材料・施工方法・用途などが異なります。
「木造」「RC造」「S造」の中で最適構造を知るためにも、まずは基本となる構造の違いを押さえておきましょう。
木造
「木造」とは、木材を主な構造材として使う工法です。
日本の伝統的な建築方法で、柱・梁・床などに使用されています。
代表的な木造の建築物は、以下の通りです。
【木造の建築物(一例)】
- 戸建住宅
- アパート
- 飲食店などの店舗
- 福祉施設
木造のメリットとデメリットは、以下の通りです。
【木造のメリットとデメリット】
木造のメリット | ・材料費や施工費が比較的安価 ・加工しやすい ・設計の自由度が高い ・断熱性能が高い ・環境に配慮した材料 |
木造のデメリット | ・湿気やシロアリ被害による劣化が進行しやすい ・耐火性が低い ・音漏れが課題になる |
RC造
「RC造(鉄筋コンクリート造)」とは、鉄筋で骨組みを作り、型枠内にコンクリートを打ち込んで固める構造です。
代表的なRC造の建築物は、以下の通りです。
【RC造の建築物(一例)】
- 中高層マンション
- 公共施設(学校・図書館・病院など)
- 商業施設
- 駐車場ビル
- 高級戸建住宅
RC造のメリットとデメリットは、以下の通りです。
【RC造のメリットとデメリット】
RC造のメリット | ・地震時の揺れを抑えるなど、耐震性が高い ・鉄筋とコンクリートを組み合わせているため、耐火性に優れる ・壁や床が厚くなるため、遮音性が高まる ・剛性が高く、高層建築にも対応可能 |
RC造のデメリット | ・材料費・型枠や鉄筋の工事・コンクリートの打設作業などのコストが高い ・コンクリートの養生期間があるため、工期が長くなりやすい ・軟弱地盤の場合は、地盤改良工事や杭工事が必要となる |
S造
「S造(鉄骨造)」とは、鋼材(鉄骨)を主な構造部材として使用する工法です。
代用的なS造の建築物は、以下の通りです。
【S造の建築物(一例)】
- オフィスビル
- 工場や倉庫
- 大型商業施設
- スタジアムやアリーナ
- 中層住宅
S造のメリットとデメリットは、以下の通りです。
【S造のメリットとデメリット】
S造のメリット | ・鉄骨を工場で製作し現場で組み立てるため、工期を短縮できる ・軽量で強度が高いため、地震の揺れに強い ・柱スパンを広く取れるため、自由な空間の設計ができる ・設計の柔軟性が高く、増築・改修がしやすい |
S造のデメリット | ・鉄の強度は高温で著しく低下するため、耐火性能が低い ・鉄骨部材の価格が高い ・工場製作のコストがかかる ・音や熱が伝わりやすい |
コストと納期から見た最適構造は?
建築物の構造を選ぶときに重要となるのが「コスト」と「納期」です。
木造・RC造・S造のコストと納期について、以下の表にまとめました!
【構造別のコストと納期】
構造 | コスト | 納期 |
木造 | ◎ 安い | ◎ 短い |
RC造 | △ 高い | △ 長い |
S造 | ◯ 中間 | ◯ 中間 |
このように、コストと納期の観点から見ると「木造」が最適な構造といえます。
ただし、コストや工期だけでなく性能も重視する必要があります。
「費用を抑えたい」「できるだけ短納期で完成させたい」などの場合は、木造が適しているでしょう。
「耐震性」「耐火性」「遮音性」などを重視するならRC造が最適です。
「広い空間を設計したい」という場合は、S造が選ばれやすいでしょう。
建築物の用途や条件などによって、最適な構造は変わります。
構造ごとの特徴を理解し、もっとも重視することは何かを考えて選ぶ必要があります。
まとめ
今回は、木造・RC造・S造の構造の特徴、コストと納期からみた最適構造はどれかを解説しました。
木造は、コストと納期を重視したい場合に適しています。
RC造は、耐震性・耐火性・遮音性などを重視する場合に最適です。
S造は、広い空間の設計や将来の増築・改修に対応しやすい構造です。
「コスト」「納期」以外に「性能」「用途」などを考慮し、建築物の構造を選ぶ必要があります。
建築物の設計や施工をする際、それぞれの構造の特徴を正しく理解することが大切です。
ぜひ、本記事を参考に建築物に関する理解を深めてみてくださいね!