安全パトロールで見るべき“盲点”

こんにちは!転職博士です。

現場の労働安全を防ぐために実施される「安全パトロール」。

現場の危険の芽を摘むために重要ですが、安全パトロールで見落としがちなポイントがあるのを知っていますか?

安全パトロールで見落としがあれば、現場で重大事故が発生する危険性もあります。

今回の記事では、安全パトロールで見るべき“盲点”について紹介します。

作業員全員が安全に作業を進められる作業環境を整えるために、ぜひ最後までご覧ください!

安全パトロールとは

「安全パトロール」とは、現場の労働災害を未然に防ぐために行う巡回点検を指します。

作業場の危険箇所や不安全行動の発見・注意喚起・改善を行うことが、安全パトロールを実施する目的です。

安全パトロールは、発注者や協力会社などの視点を入れて実施されることもあります。

安全パトロールのチェック項目には「整理整頓・環境衛生」「建設機械・クレーン災害防止」「墜落・転落災害防止」「崩壊・倒壊災害防止」「契約・労働条件」「安全衛生管理体制」などがあります。

厚生労働省は「現場安全パトロールチェックリスト【簡易版】」を公開しているので、安全パトロールのチェック項目が気になる方は確認してみてくださいね!

【参考】厚生労働省|現場安全パトロールチェックリスト【簡易版】

安全パトロールで見るべき”盲点”

安全パトロールで見るべき”盲点”を紹介します。

チェック項目通りに安全パトロールを実施しても、機械的に確認するだけでは見落としが生じる可能性もあります。

現場で労働災害を発生させないために、ぜひ参考にしてみてください。

保護具を正しく使用しているか

「保護具を正しく使用しているか」は、安全パトロールで見るべき盲点の1つです。

保護帽(ヘルメット)・保護メガネ・保護手袋・墜落制止用器具・安全靴など、現場では保護具を着用する必要があります。

しかし、ただ保護具を着用するのではなく、正しく使用しているかが重要です。

たとえば、あご紐が緩いまま保護帽をかぶると、作業中にずれてしまうこともあるでしょう。

また、電動カッターを使用する際に綿手袋やビニール手袋を着用すると、切創の恐れがあります。

保護具を正しく使用しているか、作業内容にあった保護具を着用しているかなども、安全パトロールで見なければならないポイントです。

立入り禁止措置に問題がないか

クレーンの旋回範囲内や重機の作業範囲に立入り禁止措置を施すのも、安全パトロールで見るべき盲点です。

カラーコーンや単管バリケードを設置しているからといって、立入り禁止措置ができているとはいえません。

たとえば、カラーコーンがクレーンの旋回範囲に設置されていると、作業員がクレーンに接触する危険性があります。

また、隙間を空けて単管バリケードを設置すると、作業員が侵入するリスクも高まります。

立入り禁止措置に問題がないかも、安全パトロールでチェックすることが重要です。

つまずき・転倒の防止策をしているか

つまずき・転倒の防止策をしているかも、安全パトロールで見るべき項目として重要です。

厚生労働省「令和5年 労働災害発生状況」によると、令和5年に発生した労働災害における建設業の死亡者は223名。

全産業の中で、建設業の死亡者数は最大となっています。

事故の型別でみると「墜落・転落」「交通事故(道路)」「はさまれ・巻き込まれ」の順に、死亡者数が多くなっています。

一方で、休業4日以上の死傷者数(全産業)でみると、もっとも多い事故の型別は「転倒」です。

転倒による死傷者数は36,058名で、全体の26.6%を占めています。

現場では、死亡事故につながる事故の対策を優先することも多いでしょう。

しかし、ハインリッヒの法則で「1つの重大事故の陰には300回の危険な事態が起きかけていた」というように、死亡事故の背景には危険要因が多くあることがわかっています。

死亡事故だけでなく、軽微な事故への対策も重要です。

安全パトロールでは「つまずき・転倒」を防ぐ対策が施されているかもチェックすることで、危険の芽を摘むことにつながります。

【参考】厚生労働省|令和5年 労働災害発生状況

安全パトロールとともに実施すると効果的なのが「ヒヤリハット報告書」の作成です。

ヒヤリハット報告書については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

ヒヤリハット報告書とは

まとめ

今回は、安全パトロールで見るべき”盲点”を紹介しました。

現場の労働災害を防ぐために、安全パトロールを実施することは大切です。

しかし、形式だけの安全パトロールは意味がなく、本来の目的である「労働災害を未然に防ぐこと」を達成できません。

作業員が安全に作業ができる環境を整えることも、現場技術者の責務です。

労働災害を発生させないために、ぜひ安全対策の参考にしてみてくださいね!

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