下請法違反にならないためのチェック
こんにちは!転職博士です。
建設業で働くうえで欠かせないことは、協力会社さんとの信頼関係の構築です。
協力会社さんとの関係性を考える際に切り離せない「下請法」を知っていますか?
実は、2026年(令和8年)1月から下請法の改正法が施行され、これまでの名称や考え方がアップデートされました。
そこで今回の記事では、下請法違反にならないために押さえておきたいチェックポイントを紹介します。
施工管理に必要な知識や技術だけでなく、パートナー企業との対等な関係を築き、法令違反を防ぐために、ぜひチェックしてみてくださいね!
「下請法」が「取適法」に名称変更!
建設工事に関連のある法律といえば「建設業法」と「下請法」です。
そんな下請法は、2026年(令和8年)1月から下請法の改正法が施行され、法律名や考え方が変わりました。
下請法の改正法の名称が「取適法(中小受託取引適正化法)」です。
また、旧下請法で使われていた用語は、以下のように変更されました。
| 旧下請法 | 取適法 |
| 下請代金 | 製造委託等代金 |
| 親事業者 | 委託事業者 |
| 下請事業者 | 中小受託事業者 |
「中小受託事業者への代金の支払遅延の防止」と「委託事業者の中小受託事業者への取引の公正化」を目的としています。
また、適用対象の拡大や禁止行為の追加、面的執行の強化など、取適法で変更となっている箇所があるため、内容を押さえておく必要があります!
【参考】
製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律
公正取引委員会|●中小受託受託取引適正化法ガイドブック●「下請法」は「取適法」へ
建設業で「取適法」が適用される取引の具体例
建設工事の請負契約は、これまで通り建設業法が適用されます。
しかし、建設工事に関連する工事以外の「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」「特定運送委託」の5つの取引は、取適法の対象となるため注意が必要です!
具体的には、以下の取引が取適法の対象となります。
| 取引の種類 | 概要 | 取引例 |
| 製造委託 | 自社で使用・消費する物品や部品などを自社で製造しているメーカーが他メーカーに委託する | ・サッシやドアの製作 ・コンクリート二次製品の製造 |
| 修理委託 | 物品の修理を請け負っている事業者が他事業者に修理を委託する | ・自社保有の建設重機や車両の点検・修理 ・リース品の破損修理 |
| 情報成果物作成委託 | 自社で使用する情報成果物を自社で作成している事業者が他事業者に作成を委託する | ・設計図面の作成代行 ・工事用写真の整理 |
| 役務提供委託 | 役務の提供を業としている事業者が提供行為を他事業者に委託する | ・現場事務所の清掃 ・警備会社への交通誘導員の派遣 |
| 特定運送委託 | 委託事業者が物品の運送を他の運送業者に委託する | ・現場への資材運搬 ・産業廃棄物の運搬 |
【参考】公正取引委員会|●中小受託受託取引適正化法ガイドブック●「下請法」は「取適法」へ
取適法違反にならないためのチェックポイント
取適法違反にならないために、以下のチェックポイントを押さえておきましょう。
チェックポイント1:「取引の内容」と「資本金または従業員基準」で対象取引を判断する
取適法が適用されるかどうかは、5つの取引の内容に加えて、委託事業者と中小受託事業者それぞれの資本金の額または従業員数で決まります。
たとえば、資本金が3億円を超える委託事業者が、資本金3億円以下の中小委託事業者に情報成果物作成委託(設計図面の作成)を依頼する場合は、取適法の対象となります。
「自社が委託事業者に該当するのか」「中小受託事業者の資本金や従業員は基準を満たしているか」など、契約前に必ずチェックしましょう!
チェックポイント2:委託事業者は取適法に明記されている義務・禁止事項を守る
取適法の対象取引に当てはまる場合、委託事業者は義務・禁止事項を守らなければなりません。
以下の義務と禁止事項をチェックしましょう。
【義務】
- 発注内容などを書面や電子メールなどで明示する
- 取引に関する書類を作成し、2年間保存する
- 発注した物品を受領した日から起算し、60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定める
- 支払遅延や減額を行った場合は、遅延利息(年率14.6%)を支払う
【禁止事項】
- 発注した物品の受領を拒否すること
- 支払期日までに代金を支払わないこと
- 発注時に決めた代金を発注後に減額すること
- 発注した物品を受領後に返品すること
- 通常支払われる対価よりも著しく低い代金を不当に定めること
- 物品や役務を強制して、購入させたり利用させたりすること
- 違反行為を知らせたことで、中小受託事業者を不利益に扱うこと(取引数量の削減や取引停止など)
- 代金の支払日より早く原材料の早期決済を求めること
- 中小受託事業者に金銭や役務を不当に提供させること
- 発注の取消しや内容の変更、無償でやり直しや追加作業をさせること
- 協議に応じなかったり必要な説明をしなかったりするなど、一方的に代金を決定すること
上記の義務・禁止事項を守り、中小受託事業者の利益を保護することが大切です!
【参考】公正取引委員会|2026年1月から「下請法」は「取適法」へ!
まとめ
今回は、下請法(取適法)違反にならないためのチェックポイントを紹介しました。
2026年(令和8年)1月から下請法の改正法が施行され、取適法となりました。
「下請法や取適法の内容を知らなかった」「どのような取引内容が対象となるのかわからない」など、取適法を知らないことで法律違反につながる恐れがあります。
法律違反にならないために、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね!

