元請・下請の責任範囲を整理

こんにちは!転職博士です。

建設現場では、元請と下請が協力して工事を進める必要があります。

チームプレーが欠かせない建設現場ですが、実務で避けらないのが「元請と下請のどちらが責任を持つの?」という責任範囲についてです。

「元請から言われたから元請が責任だ」「下請が施工ミスをしたから下請の責任だ」と、責任の押し付け合いは現場の空気を悪くさせるだけでなく、安全面や予算面のトラブルに直結します。

そこで今回は、元請・下請の責任範囲を紹介します。

スムーズな現場運営のために、法律と工事請負契約のルールも理解しておきましょう!

「元請」「下請」とは

「元請」と「下請」は、それぞれ以下の者を指します。

元請(元請負人)下請契約における注文者の建設業者
下請(下請負人)下請契約における請負人

下請契約とは、建設工事を請け負った建設業者と他の建設業者との間で締結される請負契約のことです。

発注者とは、建設工事(他の建設業者から請け負ったものではない)の注文者を指します。

【参考】

建設業法|第二条

一般社団法人安全衛生マネジメント協会|元請とは

一般社団法人安全衛生マネジメント協会|下請とは

【元請・下請の責任範囲】法律と工事請負契約書で判断!

元請・下請の責任範囲は、以下の法律と工事請負契約書で決まっています。

法律(労働安全衛生法 第三十条)元請(特定元方事業者)に対して、現場の労働災害を防止する責任がある
工事請負契約書(建設業法 第十九条)契約の締結の際、公正な契約を書面に記載する

上記の通り、建設現場の労働安全衛生に関しては、最終的な責任が元請にあるといえます。

一方で実務で起こるトラブルは、元請と下請が交わす工事請負契約書から判断する必要があります。

たとえば「施工ミスが発生した場合、元請・下請のどちらが費用を負担するか」などは、現場ごとに締結される工事請負契約書を確認することが重要です。

【参考】

労働安全衛生法|第三十条

建設業法|第十九条

現場で揉めがちな責任範囲(例)

法律や工事請負契約書を確認しても、元請・下請のどちらが責任を負うべきか迷う場面が多いものです。

ここでは、現場でとくに揉めがちな責任範囲を紹介します。

無理な指示 VS 施工ミス

元請が下請に対して、無理な工程で工事を進めるように指示をしたり、図面と異なる不適切な指示を出したりした場合は、責任の所在は元請にあります。

しかし、元請から下請に対して、正しい図面を提示したにも関わらず異なる施工がされた場合は、責任の所在は下請にあります。

元請・下請の責任範囲を明確にするためには、現場での指示を口約束だけで終わらせず、写真やメールなどに記録として残しておくことが大切です。

支給材料や貸与機械の故障 VS 確認漏れ

元請から下請に支給した材料に欠陥があったり、貸与機械が故障したりしている場合は、責任の所在は工事請負契約書が基準となります。

しかし、契約締結時の確認を怠ると「元請から建設機械を借りたときから壊れていた」「下請の使い方が悪かった」と、元請・下請の不毛な争いに発展しがちです。

元請は「支給材料に欠陥がないか」「建設機械は故障していないか」を確認することが重要です。

ただし、材料や機械の故障に関しての責任の所在をどうするのかについては、下請も工事請負契約書の確認が欠かせません。

近隣住民への対応 VS 不適切な行動

近隣住民からの相談やクレームに対する窓口は、元請の責任となるのが一般的です。

しかし、下請の不適切な行動が原因なら、下請も責任を負わなければなりません。

たとえば、指定された時間以外に作業したり、交通ルールを無視したりした場合は、謝罪への同行や再発防止の責任など、元請だけではなく下請側も負うことになります。

まとめ

今回は、元請・下請の責任範囲を紹介しました。

元請・下請の責任の境界線が明確な建設現場は、無駄な揉め事が起こりにくく、作業に集中しやすい労働環境が整っているといえます。

建設現場では、さまざまな立場の人と協力して仕事をするため、元請・下請のどちらの立場の方も本記事を役立ててみてください。

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