都市の水道管更新工事ラッシュは、人手的にも予算的にも可能なのか
こんにちは!転職博士です。
日本では、水道管の老朽化が大きな課題となっています。
道路の下に埋設されている水道管が破裂し水が激しく吹き出したり、道路が陥没したりするなど、水道管の老朽化によるトラブルが起きています。
しかし、人々の暮らしの安全面や日本の経済面を考慮し、更新工事が急速に進められていることを知っていますか?
そこで今回の記事では、水道管更新工事ラッシュが「人手」と「予算」の2つの観点から可能なのかを解説します。
水道管更新工事に関係する管路の経年化率と更新率も紹介するので、水道管の更新工事の重要性について、ぜひ理解を深めてみてくださいね!
水道管更新工事の「管路経年化率」と「管路更新率」
水道管の更新工事が進められている理由は、高度経済成長期に一気に整備された水道管が寿命を迎えつつあるためです。
地方公営企業法施行規則では、有形固定資産の耐用年数を定めており、配水管の法定耐用年数は40年です。
しかし、実際には水道管の埋設条件や構造、材質などを考慮し、適切な維持管理や更新が必要となります。
総務省が公表している「水道事業の現状等」では、全国の「管路経年化率」と「管路更新率」が掲載されています。
| 管路経年化率 | 25.4% | 法定耐用年数を経過した管路延長(km)/総管路延長(km) |
| 管路更新率 | 0.61% | その年度に更新した管路延長(km)/ 総管路延長(km) |
上記の通り、管路経年化率は全国平均で25.4%で、管路更新率は0.6%にとどまっています。
もし、現在のペースのまま水道管の更新を続けると、更新が必要な水道管をすべて取り替えるまでに、150年以上かかってしまう可能性があるのです。
【参考】地方公営企業法施行規則 別表第二号(第十四条及び第十五条関係)
【参考】総務省|水道事業の現状等(最新追加資料)令和7年7月
都市の水道管更新工事ラッシュは「人手」と「予算」の観点から可能?
水道管の老朽化が進む一方で、更新が追いついていない現状を見ると「人手的にも予算的にも、更新工事ラッシュを乗り切れるの?」と感じるかもしれません。
具体的に「人手」と「予算」の2つの視点から、都市の水道管更新工事ラッシュを乗り切れるのかを見ていきましょう!
【人手の観点】建設技術者の不足を最新テクノロジーによってカバー
水道事業に携わる自治体の職員数は、昭和55年で7.6万人。
しかし、令和5年には4.2万人に減少しています。
水道管の更新工事を担う建設技術者は、高齢化や人手不足に直面しています。
早急に建設技術者を増員して対応することが難しいからこそ、現場では最新テクノロジーを活用していることを知っていますか?
たとえば、地面を大きく掘ることなく、既存の水道管の内側を補修する「非開削工法」を採用する現場もあります。
また、AI技術や小型カメラを活用した管路診断技術を用いるなど、少ない技術者でも施工できる水道管更新技術を導入しています。
人手不足を最新テクノロジーによってカバーしながら、水道管の更新工事を進めているのが実情です。
【参考】総務省|水道事業の現状等(最新追加資料)令和7年7月
【予算の観点】維持・修繕へのシフトと優先順位づけ
水道料金の収入が減っている自治体が多く、予算を増額して水道管更新工事を実施することは簡単ではありません。
限られた予算を無駄なく使うために、既存の水道管の維持・修繕へシフトし、老朽化した管の修繕費用などに予算が充てられています。
さらに、水道管の老朽化による事故が起きた場合に被害が大きい箇所から進めたり、病院や避難所へとつながる重要な水道管を優先して進めたりするなど、優先順位づけが行われています。
限られた財源の中で人々の安全を確保するために、水道管の老朽化によるリスクの高い箇所へ予算を投下することが重要です。
【参考】厚生労働省|水道施設の点検を含む維持・修繕の実施に関するガイドライン 令和5年3月
まとめ
今回は、都市の水道管更新工事ラッシュが「人手」や「予算」の観点から可能なのかについて解説しました。
法定耐用年数40年を迎えた水道管が増える中、現場では最新技術の導入や予算の優先順位づけを行い、水道管更新工事を進めています。
水道をはじめとするインフラの維持・更新工事は、今後何十年にわたって進めなければならない大型プロジェクトです。
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